ウチの会社ってもしかしてブラック?ブラック企業の見分け方5つのポイントを解説!
社会人として日々の生活を送る中で「職場に行くのが辛い」「仕事がキツい」「会社を辞めたい」等と感じている方は多いのではないでしょうか?仕事に従事するのは生活していくために必要不可欠なことではありますが、職場で仕事をすることが辛いという状況は決して好ましいものではありません。
あなたが今の会社での仕事に辛さを感じているなら、その会社はもしかしたらブラック企業かも?
同じ業種でも会社が違えば環境も変わってきますので、同様の仕事内容でも辛さを感じることなく仕事に従事できる場合もあります。ブラック企業の特徴や見分け方を知っておくことによって、今の仕事が辛いのは自分に原因があるのではなく会社がブラックなことが原因だと気づくかもしれませんし、今後自分に合った仕事や職場の環境を見つけるためのヒントが得られるもしまれせん。
このコラムでは、ブラック企業の見分け方のポイントを解説していきます。
目次
ブラック企業とは?
ブラック企業とはどんな会社のことを指すのでしょうか?ブラック企業という用語について特に明確な定義があるわけではありませんが、厚生労働省ではブラック企業の一般的な特徴として以下の3点を挙げています。
①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
ざっくりまとめるとブラック企業とは会社に勤務する労働者を酷使し不当に扱う企業を指す言葉であると言えます。企業を運営する上で特に重要なのが「ヒト・モノ・カネ」であると言われ、これを3大経営資源と呼びます。ブラック企業はその3大経営資源の一番最初に当たる「ヒト=その企業で働く労働者」を大切にしない企業であるとも言えるかと思います。
ブラック企業の見分け方5つのポイント
一般的に「ブラック企業=中小企業」というイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、ブラック企業には有名な大企業や業績が好調な企業であっても当てはまる場合があります。また、前項で挙げた厚生労働省によるブラック企業の特徴に当てはまっている場合でも実際にその会社で働いていると自分の勤めている会社がブラック企業であるという自覚のない方も多いのではないかと思います。
ではブラック企業とはどういう場合に当てはまるのか、もう少し具体的に見ていきましょう。ブラック企業の見分け方を5つのポイントに分け詳しくご紹介いたします。
1.長時間労働が常態化している
サービス残業という言葉もあるように実際に働いている時間に対して正当な対価が支払われてないケースもよく聞きます。残業だけではなく休日出勤をしなければならなかったり、有給があっても休みをとりづらいといったこともあるかと思います。
「仕事量が多くて終わらない」「人手が足りない」「取引先からの要望で断れない」等々、様々な理由で長時間労働も仕方ないと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、労働基準法では「原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません」と定められており、これを超える労働は時間外労働(残業)として扱われることになります。労働基準法に則っていない労働時間の超過が常態化している場合はそもそも「法的にアウト」である可能性が高いため、その企業はブラック企業である可能性も高いといえるでしょう。
2.給与や手当てなどが不透明
経営が厳しかったり思うように利益が出せていない企業はできるだけコストを少なく抑えようとする傾向があります。ブラック企業の場合、労働者に支払われる給与に対しても実際に支払われるべき金額より少ない額で済まそうとするケースも見受けられます。仕事の内容に対して給与が少ない、残業代などの手当てが不透明、給与の支払いに遅延や未払いがあるといった場合はブラック企業に当てはまる可能性が高いといえます。
3.ハラスメントが横行している
ハラスメントとは「嫌がらせやいじめ」を指す言葉です。相手の意に反して相手を不快にさせる、不利益を与える、尊厳を傷つけるといったような行為をすることであり、会社の上司といった優越的な立場を背景としたケースなどでは「パワハラ(パワー・ハラスメント)」と呼ばれたりもします。他にも「セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)」、「モラハラ(モラル・ハラスメント)」など様々なハラスメントが存在します。
ハラスメントを受けていると自覚していないケースもありますが、不快に思うことや傷つけられたと感じることが多い場合はハラスメントを疑ってみましょう。上司や同僚からのハラスメントが横行している会社はほぼブラック企業といって差し支えないでしょう。
4.勤務時間外のことを強制される
仕事以外のことで断りにくい指示や強制をしてくる企業もブラック企業であるといえるでしょう。例えば上司の引越しの手伝いをさせられる、勤務時間外で資格取得ための勉強を強制される等といったケースがこれに当てはまります。労働基準法によると労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定められており、上記のようなケースは労働時間に該当する可能性が高く、従って労働時間に対して会社は賃金の支払い義務が発生しますので、無給でこのようなことを強制される場合はほぼブラック企業といってよいでしょう。
5.離職率が高い
離職率が高いかどうかということもブラック企業を見分けるにあたって重要なポイントになります。会社を辞める人が多い、入れ替わりが激しいといった企業がこのケースに当てはまります。どのくらいの離職率であればブラック企業といったような絶対的な基準があるわけではなく、また入社人数が少ない場合などケースによって一概にはいえませんので離職率が高い企業が必ずしもブラック企業であるとは限りませんが、同業他社と比較するなどして会社を辞める人が多い印象がある場合は要注意です。一般論として、会社を辞める人が多い企業はそれだけ会社に不満を抱えている人も多いということだといえるでしょう。
ブラック企業への対処法は?
自分の勤めている会社がブラック企業だった場合、どうしたらよいのでしょう?ブラック企業に勤めていると経済面や肉体面、精神面でも疲弊していくことが考えられます。その結果体調を崩してしまったり、最悪の場合うつ病や過労自殺に追い込まれてしまうケースも存在します。自分の身を守るため、ブラック企業に対して考えられる対処法をご紹介いたします。
自分が悪いと思わない
まずは自分が悪いと思わない、自分を責めない、ということが第一です。ブラック企業は往々にして労働者の側に非があると思い込ませるような主張をしてきます。「おまえは仕事をするための能力が足りない」とか「そんなことじゃどこに行ってもやっていけないぞ」等々、謂れのない非難を持ち出してくるかもしれません。しかしブラック企業の多くは不法行為といっても差し支えないようなことを行っていながら、自身の不法行為に対しては目を向けようとはしません。そんな相手に非難される筋合いはないのです。会社に貢献できない自分が悪いと思う必要は全くありません。
会社に改善を要求する
会社に労働時間や給与について待遇の改善を要求することも対処法の一つではあります。しかし、要求してもすんなり改善をしてくれることはなかなか難しいかと思います。そもそも話して通じるような風通しが良い会社であればブラック企業には成り難いからです。改善を要求した結果、会社から嫌がらせをされるようなケースも多くみられます。会社に改善を要求するのでしたら、一人ではなく何人かの同僚と団結して改善を要求できるような場合がお薦めです。
労働基準監督署や弁護士に相談する
労働基準監督署は企業に違反行為等が認められた場合に指導や勧告を行う機関です。しかし違反行為を証明できる証拠がないと是正のために動いてくれない場合もあり、また強制力がないため企業に対し指導や勧告を行ったとしても必ず企業側がそれに従うとも限りません。
弁護士に相談する場合は裁判を行うことによって企業に対し残業代の支払い等を強制することも可能です。しかし弁護士に依頼するための費用がかかってしまうのと、裁判になった場合は解決までにそれなりの時間がかかることも想定されますので、経済面や気力に余裕がある方にはお薦めできるといえます。
しかしブラック企業に勤めている方はいろいろな面で疲弊している場合も多く、労働基準監督署や弁護士に相談するのはハードルが高いと思われるかもしれません。
会社を辞めるのも対処法の一つです
ブラック企業での問題を解決するには、会社を辞める、あるいは職場を変えるということも選択肢の一つです。会社を辞めてしまえばブラック企業との関わりも絶てますので、もっとも手っ取り早く問題を解決できる方法ともいえるでしょう。しかしブラック企業の中にはすんなり会社を辞めさせてくれない企業も多く、また会社を辞めると言い出しにくい状況の方もいらしゃるかと思います。そんな時は労働者に代って退職の手続きを代行してくれる「退職代行サービス」もありますので、会社を辞めたいけど辞めるのが難しいという方は退職代行サービスを利用してみるのもお勧めです。